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    あるアパートの203号室に引っ越してきた鞍馬凪人。
    いつもニコニコしていてご近所づきあいも順調。

    隣の部屋に住むOLとはよく顔を合わせる仲。
    この日もゴミを捨てに行こうとすると玄関前で偶然にも顔を合わせたのでした。

    「お仕事おつかれさまですー」

    笑顔で挨拶をしてゴミ捨て場へ。
    ゴミを捨てると部屋へ帰ったのでした。

    しばらくするとゴミ捨て場に女性の姿。
    この女性は鞍馬の隣人でさっき挨拶した女性。

    ゴミ箱を開け、鞍馬の捨てたゴミ袋を取り出し、生活感のあるものを物色しはじめたのです。

    この女性は鞍馬に片思い中。
    恋愛下手で、せっかく鞍馬が挨拶してくれるのに言葉が出てこない引っ込み思案な性格。

    捨てたゴミを漁るのは悪いことだと頭ではわかってるけど
    ゴミを漁って「好きな人がどんな生活をしてるのか?」を知って満足していたのでした。

    そんなある日。
    鞍馬から「これが届いたんです」手紙を見せられたOL。

    手紙には
    「燃えるゴミと燃えないゴミが混ざってました」
    「分別しておきました」
    と書かれていて、差出人は完全にストーカー。

    鞍馬はいつもどおりニコニコしてるけど、OLは顔面蒼白。
    なぜなら、この手紙はOLが郵便受けに入れたもの。

    「ストーカーみたいです」
    鞍馬は気にしていない感じだけど、

    (鞍馬さんにバレた)

    これ以上、近くにいるのは危険だと判断して引っ越すことに決めたのでした。

    急いで物件を決め、引っ越し当日。

    最後にどうしても鞍馬の顔だけ見たかったOL。

    (せめてもの罪滅ぼしに…)

    そう思いながらお土産を手渡し、
    さみしそうな顔をしながら最後の挨拶をしたのでした。

    急いで鞍馬の目の前から消え去りたいのに

    「最後にお茶でも飲みませんか?」
    「ストーカーさんにもらったものですが」

    一緒にお茶したいという鞍馬。

    その言葉に「完全にバレてる」と察して

    「すいません!ストーカーは私なんです!」
    「ごめんなさい!」

    誠心誠意あやまると

    「知ってるよ」

    ニコニコしたままの鞍馬に手を引っ張られ203号室へと連れ込まれてしまったのでした。

    勢いよく押し込まれ、玄関内で転倒してしまったOL。

    「ストーカーさん、好きな男性の家に入れた気分は?」

    鞍馬の顔を見ると同時に目に映ったのは、壁一面に貼られたOLの大量の写真。

    しかも、
    自分の部屋の中、着替えてる姿、外出時のもの、それは最近だけではなく数年前のものまで。

    (鞍馬さんは私を盗撮してたんだ)
    (私のストーカーなんだ)

    誠実な男性だと思っていた鞍馬の本当の姿は自分以上のレベルの異常なストーカー。

    謝りたかった気持ちより恐怖が大きくなり逃げようとするも、
    脱出を妨げたのは自分そっくりのダッチワイフ。

    OLが捨てた服に下着まで身につけてる徹底さ。

    1秒でも早く逃げたいのに
    全身の力は抜けてしまい一歩も動けなくなってしまったのです。

    ゴミを漁ったり、手紙を送ってしまうほど大好きだった鞍馬がストーカーであり危険すぎる男だったと知ったOL。

    まずは口を手で押さえられ、正真正銘の恐怖を体験することになってしまう…

    203号の隣人は鍵束ひとつ残して消えた。感想

    最初はヒロインのOLが「おとなしそうな顔してる人ほど本当は何をしているのかわからない」と思っていましたが、
    中盤からはあんなに優しそうな鞍馬の素顔がヒロインとは比較できないレベルの異常性を持つ男と判明。

    「漫画で良かったなー」

    というほど、用意周到、狡猾、己の欲に素直など、言葉では言い尽くせない異常な男でした。

    「いい人」を演じてる人ほど本当は何を考えてるかわからないし、「ほんの少しの接点」だけで狙われてしまう危険性があるんだと、203号の隣人は鍵束ひとつ残して消えた。を読んで実感。

    「君は僕の宝物だよ」
    なんて言われても、嬉しくなんてないし恐怖しかありません。

    そんな中で鞍馬の部屋にあった大量の写真やリアルに再現された自分の人形を見て「鞍馬には絶対に逆らえない」と本能で感じ取ったヒロイン。
    床を舐めろと命令されて従ったり、妊娠してしまう可能性だってあるのに中出しさせたり…

    「203号の隣人は鍵束ひとつ残して消えた。」はイラストが綺麗だし、鞍馬とヒロインの言葉使いがていねいなだけあって、
    描かれてる内容の衝撃度は予想より遥かに大きいもの。

    1つ1つのセリフが脳内で再生されるレベルのリアルさ。
    顔のこわばりや全身の震えなど細かい部分までリアルに描かれてるので読み終えたときの満足度は非常に高いものでした。

    「生きてこの部屋から脱出したい」
    というヒロインの願いはか叶ったのか?

    結末は意見が分かれると思います。

    ぜひ、読んで確認してほしいと思います。

    203号の隣人は鍵束ひとつ残して消えた。
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